みなさん、こんにちは。食品生命科学科、特任助教の小手森です。
今日は国立がん研究センターの齋藤英子先生にご協力をいただき、青森グルメの塩分濃度を測っていただきました!
齋藤英子先生は、発展途上国の栄養調査のご経験もあり、本学の公衆栄養学実習にもご登壇いただいています♪
都道府県庁所在市別にみると、青森市は食塩や醤油の購入量も全国TOP3入りを誇っています(下図参照)。
そんな青森の実情を見てみましょう!
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青森の塩分測定記
齋藤英子
2020年6月12日~13日
青森生まれ、青森育ちの私ですが、帰省する度に外食で出される料理がしょっぱいな~と感じていました。つい先般、同僚からも「青森は味が濃い!」と言われたのがきっかけで、小手森先生に塩分計をお借りし、青森名物塩分測定の旅に出てみました。
(新型コロナ対策を十分に取った上での出張です。)
・青森駅近くで食べた八戸名物「せんべい汁」
せんべい汁とは、しょうゆベースのスープにごぼう、人参、油揚げ、大根などを入れて煮込み、最後に少し塩味をつけた小麦粉せんべいを入れて供されるものです。スープに浸ってやわらかくなったせんべいがトロッとお口の中でとろけて美味しい!青森県民なら誰もが大好きな一品です。
さて、測定。スープを味見したら、あれ?ふつうに美味しい・・・。いつもと違って、舌がしびれる塩辛さがない。測定結果は0.9%、普通の味噌汁より少し辛い程度でした。
・青森空港の「味噌ラーメン」
青森では味噌ラーメンが一番ポピュラーで、家族総出でランチといえば味噌ラーメンなのです。そして、なぜかラーメン店では漬物食べ放題サービスがどこにでもあります。
(さすがに空港にはありませんでした)
さて、測定。スープを味見すると、これこれ、少し舌がしびれる感じ、懐かしい・・・。
地元の豚肉を使ったチャーシューや青森の地場わかめのトッピング、太麺とスープが絡まって、美味しい!さて、測定結果はいかに?
結果は堂々の1.5%でした!
小手森先生、これはやっぱり濃いのでしょうか!?
ただし、今回の調査では青森の中でも都会バイアスがかかっている可能性があります。
今後は測定対象地域を農村部にも拡大し、青森の伝統食を数種類測定することが重要と考えられます!
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齋藤先生、青森グルメの塩分調査をありがとうございました!
一般的に、味噌汁の塩分濃度は0.8~1.2%、ラーメン汁の塩分濃度は2.2~2.3%とされています。
これと比べると、今回のせんべい汁は一般的な塩分濃度であり、ラーメンについては薄めだったのかもしれません。
同じ東北の山形県から「米沢らーめん」を対象とした調査によると、スープの塩分濃度の平均値は1.5 %だったという報告もあります。
参考:「米沢らーめん」塩分濃度調査結果と「減塩醤油スープ」の開発
file:///C:/Users/Ayu%20Asao/Downloads/07%E9%87%91%E5%85%89.pdf
一方、市販の味噌ラーメンスープの塩分濃度を測定してみると、
③の写真では計算通りの1.8 %を示しましたが、
⑥のトッピングをしたものでは1.1%と計算値より低めの値でした。
もしかすると、具を入れて薄まったり、時間がたって濃度にムラが出たりなど、測定方法にも低めに出る要因があった可能性があり、もっと塩分濃度は濃かったかもしれませんね。
今回の調査では、青森グルメが本当にしょっぱいのか、塩分濃度からは結論できませんでしたが、漬物食べ放題など関東育ちの私ではびっくりの文化もお伺いできました。
まだまだ塩分目標量に届かない日本では、減塩研究のやり甲斐がありそうですね!
↑どの都道府県も、食塩の目標値には達していません
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食の情報分野では、主に人の集団を対象に、データサイエンス(統計学やパソコン技術)を活用して、食と健康のかかわりを地域・社会的背景を踏まえたマクロな視点から捉えます。子どもから高齢者まで、様々なライフステージの人々が抱える健康課題の解決策を立案し、社会へ実装する(組み込む)プロセスを学んでいます。
↓↓↓ 本学の「食のデータサイエンティスト育成」についての取り組みが、新聞やネットニュースで取り上げられています。 ↓↓↓
麻布大学 食品生命科学科の新たな取り組み
リンク:https://www.azabu-u.ac.jp/topics/2019/1115_26087.html
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