みなさん、こんにちは。食品生命科学科、特任助教の小手森です。
今日は、食の情報の「魅力的な見せ方」について書きたいと思います!
…ところで皆さんは、運転免許証をお持ちでしょうか?
(高校生の皆さんは、これからですね!)
先日、運転免許証の更新のために警察署に行ってきました。
優良運転者だし(ペーパードライバーともいう)、すぐ終わるでしょ!…と、呑気に構えていた私ですが、結局3時間もかかってしまいました。
なぜかというと、受講手順の情報が警察署内に散らばっていて、すぐに読み取ることができなかったからです。
慣れている人には、なんてことないシステムでしょう。
しかし、初めて訪れた私にとってはジャングルに紛れ込んだような感じで、とても心細さを感じました。
ワイドショーや週刊誌、インターネットに流れてくる「食に関する情報」も、よく知らない人にとってはこの例のように不安を与えるものかもしれません。
そのため、食の情報分野では「正しい食の知識を適切に伝えられる人」を育てるべく、食のデータサイエンス教育に力を入れています。
公衆栄養学実習(授業の紹介記事はこちら)では「どのように健康的な暮らしをつくるか?」という視点で授業を展開していますが、食事からとるエネルギー量や栄養素量を一般の人でも簡単に知ることができるツールがあれば、誰もがその情報を健康のために活かすことができるようになります。「栄養情報の見える化」のとてもいい例に、明星食品さんの「しおケアカップ」があります。
これまで、塩の摂取量は目で見えないために、とてもわかりにくいものでした。この明星食品さんの「しおケアカップ」は、残したスープの量をみるだけで、自分がカップラーメンからどれくらい塩を摂ったのかを知ることができます。
和食は健康によいというイメージがありますが、日本人の食塩摂取量は世界各国と比べても比較的多いことが明らかとなっています。
下の図では、国別の食塩摂取量を色分けして示しています。黄色、オレンジ、赤色の国が1日当たりの食塩摂取量が10gを超えてくる国です。日本は何色でしょうか?
ちなみに、日本人の食塩摂取量の目標値は男性7.5 g、女性6.5gです(食事摂取基準2020より)。
このような日本の現状を踏まえると、明星食品さんの「しおケアカップ」は、栄養価計算をしなくてもわかる、そして、いわゆるジャンクフードといわれるカップラーメンでも自分の健康にかかわる大切な情報を知ることができる、とても画期的なシステムであるといえます。
このような商品が増えると、安心して商品をえらぶことができますよね!
最近では将棋の世界でも、情報の見える化が進んでいるようです↓
食の情報もこのように「見える化」を推進して、健康的な食生活を選びやすい環境を整えていく必要がありそうですね!
*2:John Powles et.al., BMJ Open 2013; 3: e003733: Global, regional and national sodium intakes in 1990 and 2010: a systematic analysis of 24 h urinary sodium excretion and dietary surveys worldwideより図6Aを引用
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食の情報分野では、主に人の集団を対象に、データサイエンス(統計学やパソコン技術)を活用して、食と健康のかかわりを地域・社会的背景を踏まえたマクロな視点から捉えます。子どもから高齢者まで、様々なライフステージの人々が抱える健康課題の解決策を立案し、社会へ実装する(組み込む)プロセスを学んでいます。
↓↓↓ 本学の「食のデータサイエンティスト育成」についての取り組みが、新聞やネットニュースで取り上げられています。 ↓↓↓
麻布大学 食品生命科学科の新たな取り組み
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